白フクロウに出会う旅 / カナダ・オンタリオ州

Produce |Ontario Tourism Marketing Partnership Corporation / カナダ・オンタリオ州観光

Nature Wisdom

陽の出ずる方角、東
太陽の光が新たな一日を呼びよせ
大地のエネルギーが花を咲かせるように
すべてはここから始まった


ファーストネーション(先住民)の叡智に誘われ、カナダのオンタリオ州を訪ねることになった。昔の人は、当たり前のように地球の声に耳を傾けていたようだ。自然が私たちに教えてくれる多くのこと、その上に文明が築かれていくことを、彼らは知っていたのだろう。遠い記憶の中に忘れかけているものを確かめるように、聖地に足を踏み入れる。そこに待っていたのは、美しく輝く水、風のささやき、それらに呼応する大地との出会いだった。聖者の使いシロフクロウに導かれ、時が動き始める。旅の始まりを感じた。

Snowy Owls
in Amherst & Wolfe is island

シロフクロウは、まるで雪をまとっているかのように美しい。
その大きな翼を広げて飛ぶ姿は力強く、なんとも優雅である。
深い森の中に佇む賢者に、島の歩き方を教えてもらった。

TO VISIT|白フクロウが飛来する2つの島

越冬するため餌を求めてオンタリオ南東部に飛来するシロフクロウ。北極圏以外ではここでしか見られないとも言われる白い使者に出会うため、船に乗りこみ2つの島へ渡る。

◇ AMHERST ISLAND / アマースト島
アマースト島はオンタリオ湖東端に位置し、フクロウや鷹など多くの猛禽類の越冬地として知られている。島の東部にある「Owl Woods」と呼ばれる小さな森は、北米屈指のフクロウ探鳥地。運がよければキンメフクロウなども観察できる。
※フェリーは一年を通して同じ港(本土側港:Millhaven / 島側港:Stella)

◇ WOLF ISLAND / ウルフ島
アマースト島の東隣に位置するウルフ島は、セント・ローレンス川に浮かぶに「サウザンド・アイランド」の中で最大の島である。フェリーはシーズンで以下のように港が変わるので注意。
(5〜11月)本土側港:Kingston / 島側港:Marysville
(12〜4月)本土側港:同上 / 島側港:Dawson's Point

TO STAY|島渡りの拠点にするホテルはリゾート感も十分
いつもより早く目が覚め、部屋のカーテンをあける。そこにはまたこの地を訪れたくなるような印象的な景観が待っていた。

◇ Inn at Huff Estates
ブドウ畑に囲まれている Inn at Huff Estates は、ワイナリーやギャラリー、庭園が隣接するカントリーホテル。
住所|2274 Prince Edward Country Rd 1,Bloomfield, ON K0K 1G0, Canada
https://huffestates.com/

◇ The Drake Devonshire
プリンス・エドワード・カウンティにあるThe Drake Devonshire は、現代アートが目を引く人気のホテル。細部まで洗練された空間は、食事だけでも立ち寄りたくなる設えだ。
住所|24 Wharf St, Wellington, ON K0K 3L0, Canada
https://www.thedrake.ca/drakedevonshire/

聖者の使いシロフクロウと出会うまで
多くの生き物たちと話すことになる。
その度に彼らは幸せをくれるだろう。

白く深い森の中をゆっくりと歩く。雪を踏む音がこんなにも心地良い感じたのはいつぶりだろうか。肌をなでる冷たい空気が五感を研ぎ澄ませてくれる。鳥のさえずりもまた、雪景色を優しく彩っているようだ。自然豊かな土地を訪れる楽しみのひとつに、珍しい野生動物たちとの出会いがある。季節が巡れば木々は実をつけ花を咲かせるように、動物たちもまた自然と共に生きている。彼らに強さと美しさを感じるのは、厳しく変わりゆく自然の中で生き抜く力をその瞳の向こうに見ているからかもしれない。巡り合わせを楽しみながら、さらに森の奥へと歩みを進めていく。
左上:アメリカリス、左下:アカギツネ、右上:セジロコゲラ、右下:オジロジカ
左:ユキホオジロ、右上:ショウジョウコウカンチョウ、右下:アメリカコゲラ

 


写真=中村風詩人
文=帆志麻彩




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