雷鳴の轟く水、ナイアガラの滝へ / カナダ・オンタリオ州

Produce |Ontario Tourism Marketing Partnership Corporation / カナダ・オンタリオ州観光局

Niagara

ゆっくりと目を閉じ、自分の内なる心と対峙する。
先住民にも聞こえていたであろう水の声が
滝つぼの精霊によって運ばれてくる。

「オンタリオ」は、先住民イロコイ族の「カナダリオ」という言葉に由来すると言われており、これは「美しい水・輝く水」を意味する。その名の通り、五大湖やハドソン湾、セント・ローレンス川などの豊かな水に恵まれているのがこの土地の特徴だ。その中でも、世界三大瀑布のひとつとして知られているナイアガラの滝は、かつてファーストネーションの聖地だった。「ナイアガラ」は、先住民の言葉で「ニアガル(雷鳴の轟く水)」の意味があるとされているが、これに学術的な根拠はなく、語源には様々な説がある。しかし、圧倒される水量と水しぶき、辺りに鳴り響く轟音… ナイアガラの滝を前にすると、その呼び名に頷くよりほかないだろう。

この滝は一体どのようにして誕生したのだろうか。その答えを辿ると、およそ1万2000年前の氷河期にまで遡る。地球の大部分が厚い氷で覆われていた当時、急激な気温上昇が原因となり、北アメリカ大陸を覆っていた氷河が一気に溶け出した。その激流が大地を削り、巨大な滝が形成された。世界中の人々を魅了し続けるナイアガラの滝。力強さと神秘的な美しさを併せ持つその姿を様々な角度から眺めてみると、まるで大自然が創造した芸術のように感じられた。


4ways to see the waterfall|滝を見る4つの方法
 1 )大地の割れ目を感じる  -  空|Niagara Helicopters
ナイアガラの滝は、カナダ滝、アメリカ滝、ブライダルベール滝という3つの滝からなり、カナダのオンタリオ州とアメリカのニューヨーク州の国境にもなっている珍しい場所だ。上空から眺めれば、カナダ滝が別目「馬蹄滝」と呼ばれる理由にも説明がいらない。
 2 )雷鳴と飛沫を浴びる  -  観瀑台|Tablerock
テーブルのように張り出した場所から滝が一気に流れ落ちていく様子を間近にみることができる。雷鳴と呼ぶのにピッタリな轟音も、肌に触れる霧のような飛沫と合わさって何だか心地良い。
 3 )神が宿る場所へ  -  滝裏|Journey Behind the Falls
トンネルを進んだ先に見えるのはカナダ滝の裏側。陽の光が浴びた氷が美しく輝いている。冬の顔を見せる滝を眺めながら、神が宿る場所と信じた先住民に想いを馳せる。
 4)真冬だけの特別な銀世界  -  塔|Skylon Tower
街で一番高い場所にある展望塔では、実際に外に出て真冬の空気を感じながら滝を眺めることができる。滝が創り出す幻想的な銀世界に、このときばかりは凍てつく寒さも忘れてしまう。

 

写真=中村風詩人
文=帆志麻彩




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