カナダの礎を作った先住民の文化に触れる / カナダ・オンタリオ州
Produce |Ontario Tourism Marketing Partnership Corporation / カナダ・オンタリオ州観光局
First Nation
先住民は独特な文化と共にカナダの礎をつくった。
その歴史の中で紋章として作られたトーテムポールからも、
彼らの叡智に触れることができる。
森の中で朽ちかけている姿は、
まるで自然に帰るのを待っているかのようだ。
TOTEM in ONTARIO
トーテムポールは元々カナダ西部の文化だが、今回訪れたオンタリオ州でも見ることができる。例えばロイヤル・オンタリオ博物館(トロント)や、オタワ歴史博物館などに歴史展示物として設置されている。巨大なトーテムポールを前にすると言葉を失ってしまう迫力がある。
1.サンダーバード|Thunderbird
トーテムポールの一番上の彫刻がその一族を見分ける象徴(シンボル)になっている。Thunderbirdは、特にクワキウトル族にとって地位が高いものとされていた。翼を広げ羽ばたけば雷が轟き、瞬きをすれば目から稲妻が起こるという伝説も残っている。リーダーシップの象徴でもあり、幸せを運ぶとも言われている。
2 .人間|Human
人間は人生そのものを表している。上部にリングが刻まれているトーテムポールは、ポールの所有者がこれまでに行ったポトラッチ(贈答の儀式・大規模なまつり)の回数がリングの数で表されている。数が多ければ多いほど、力の強い村である証とされており、人型がある場合は、その中にリングが彫られていることが多い。
3.亀|Turtle
ゆっくりと歩く亀は、その穏やかで優しい様子から母なる大地のシンボルを表す。硬い甲羅は「女性の守り神」を意味するとも言われ、亀を尊ぶ部族は多い。創造力や知識を高める力、基礎的能力を高め、祖先との絆を結ぶ意味合いもある。また、行き先がわからなくなってしまった時には方向を示してくれる。
4.カエル|Frog
蛙は、安定・純真・コミュニケーションの象徴とされている。また、水のシンボルでもある蛙は、雨をもたらす動物を意味する。コミュニケーション能力に長け、地と水のふたつの世界を旅しながら生きる蛙は、両世界の伝達者、仲裁人とも言われている。人間の身に降りかかる危険を警告したと言われる伝説も。
アクセサリーやペインティング
それは意思を身に付け、飾ること
先住民は、様々な種類の自然や動物をモチーフに使用してきた。ある部族はジュエリーに彫り自身で身に付け、ある部族は刺繍にして狩りに出る夫に託していたそうだ。それは宇宙と共に生きる彼らにとって、自然や動物たちもまた、とても大切なものである証なのだ。また、彼らは生まれたときから自分のシンボル(自然や動物)を与えられており、その意味を理解し、いつも身に付けることによって幸福が訪れると信じていた。今回の旅でも出会った人たちの物語に触れると、その想いは現代にも受け継がれているように思う。自分の心に素直に、好きなものとシンプルに心地よく暮らすことを大切にする生き方からは、決して捨てられることなく続いていく、ファーストネーションというアイデンティティーを感じた。ロンさんにとっての自然に穴の開いた石の首飾り
この石の由来はカンブリア期にまで遡る。英国ではこの石の穴を通せば妖精が見えると伝わり、ここオンタリオでは "Wishing friends back" (友人の再来)を意味する。大変貴重なものでダイヤモンドより価値のある石とも言われている。
ヘンドリックさんにとっての絵
北東、アニシュナベ族出身の Rick Beaver が描いたこの絵を紹介してくれたのは、鳥好きのヘンドリックさん。生き物を少しずつ自分のスタイルに変えて描くその手法も、彼の心をつかむ理由のひとつだ。
マチルダさんにとってのカーディナルペンダント
マチルダさんが見せてくれたのは、カーディナル(赤い鳥)のペンダント。出で立ちからも見て取れるように赤色が好きらしい。彼女は穏やかな笑顔でこう言っていた。「赤が好き。鳥が好き。だから、これは私のお気に入りなのよ」と。