フランス出身の写真家アンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson/ 1908-2004)の展覧図録『The other coronation』は、2023年5月から9月にフランス・パリのカルティエ=ブレッソン財団で開催された展覧会に合わせて、Thames and Hudsonから出版されました。
1937年5月12日にロンドンで行われたジョージ6世の戴冠式は、戦間期における最も大きなニュースのひとつでした。カルティエ=ブレッソンは、設立されたばかりの共産主義新聞『セ・ソワール』の取材のために現地へ向かいました。ほとんどの記者が戴冠式や豪華な馬車、バルコニーに登場する王室一家を撮影する中、カルティエ=ブレッソンが興味を示したのは新国王の姿よりも、それを見守るユニークで歓喜に満ちたの “市民” の姿でした。
※新品で買い付けましたが、表紙に一部傷があります(写真よりご確認の上、ご購入をお願いいたします)。
[この本を選んだ理由]
2023年5月6日、チャールズ3世とカミラ夫人が、英国の国王と王妃に即位したその日に、祖父のジョージ6世の戴冠式の写真展を開催したカルティエ=ブレッソン財団の演出が心憎い。私は残念ながら写真展へ足を運ぶことはできませんでしたが、エグルストンの展覧会カタログ と同様、本書もデザイン、構成、プリント、全てのクオリティーが非常に高く、ボリュームは抑えめですが、大変魅力的な内容となっています。
ページをめくると、当時の新聞記事が数ページに渡り掲載されており、「ジョージ6世の戴冠式」の写真が目に入ります。さらにページをめくっていくと、カルティエ=ブレッソンが撮影した喜びに溢れる群衆の姿に、本書を見た人は自然と笑顔になる、そんな楽しいページが続きます。カルティエ=ブレッソンならではの美しい構図、そしてユニークな瞬間を捉えた写真が、高品質で印刷でされており、通常の「展覧会カタログ」を超越した作りになっています。最後にはベタ焼きが数枚掲載されていて、セレクトされなかった写真をも見ることのできる、贅沢な一冊です。
Selected, photographed and written by Yuko Nakajima
カテゴリー |
写真集 / 新古品 |
出版社 |
Thames and Hudson |
刊行年 |
2023年 |
サイズ |
315mm × 230mm |
ページ |
128ページ |
言語 |
英語 |
状態 |
良好 ※表紙に一部傷あり |
送料 |
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※ハードカバー