世界の一部



淡く滲む光のなか
明日を目指して鳥たちが飛ぶ


わたしは小さく呼吸して
海と静かな話をした


くり返す波は
行き場をなくした想いと言葉を
そっと遠くへ運んでくれる


生きていることが
ただそれだけで素晴らしいのだと
教えてくれているかのように

こぼれた涙も海へと流れて
世界の一部になっていく





写真=中村風詩人
詩=帆志麻彩