【制作の裏側】「海を纏うスカーフ」ができるまで

今年の夏、At Sea Day 初のオリジナル商品「海を纏うスカーフ」をリリースしました。

どうして初めて作るオリジナル商品が "スカーフ" だったのか。それは、2017年頃から店主が仕事でクルーズ船に乗船するようになったことがきっかけでした。

船内のお客様はその日の予定や時間帯に合わせて思い思いにファッションを楽しんでいらして(船内では一日の中でも時間帯でドレスコードが変わります)、そういう場に不慣れだった20代の私には、その姿がとても素敵に、きらきらと輝いて見えました。

なかでも、お客様が身に付けていたスカーフは特に印象的でした。シンプルな白いシャツにさっと一枚巻くだけで、一段と華やかな雰囲気を演出してくれるスカーフ。同じ服でも巻き方を変えるだけで印象を変えることもできますし、ハンドバッグやスーツケースに巻いて楽しんでいらっしゃる方もいました。

それから、私のクローゼットにも少しずつスカーフが増えていきました。「ちょっと物足りないかも」と思ったときは首元につけてみたり、服の色に合わせてスカーフを変えてみたりと、すっかり大好きなアイテムのひとつに。

船旅もそうですが、空の旅でも、電車の旅でも、持っていける荷物には限りがあります。でも旅先のお洒落もあきらめたくない。そんなときに、スカーフがあればいつものスタイルが華やかに見える。付け方を変えれば色々なスタイルも楽しめる。「スカーフこそ旅にぴったりなアイテム!」、そう思ったのです。この場所を作るまで少し時間がかかってしまいましたが、「お店で初めて作る商品は海のスカーフにしよう」と決めていました。なぜなら「自分が心から欲しいものをお客様に届けたい」という想いがあったからです。

そうは言っても、すでに世の中はお洒落なスカーフで溢れています。大量生産できる会社であれば、より安くお客様に提供することもできる。わざわざここで作る意味があるのかな…  そんなことも考えました。それでも「美しい海の写真でスカーフを作りたい」という想いを捨てきれず、制作に踏み切ることに。

まずは、写真家の中村風詩人さんに「スカーフ制作のために写真を提供していただけますか?」とお願いしました。当店のArtWorkを美しく彩ってくださっている中村さんは、もう地球を何周しているかわからないくらい、長年にわたり船で旅をし続け、海を見続け、海の写真を撮り続けている写真家です。私がクルーズの世界を知る機会を作ってくださった方でもあります。

まだこの世に誕生したばかりの小さなお店なので内心不安もありましたが、快く承諾してくださいました。At Sea Day のスカーフで目指したのは、

・穏やかな海を眺めているときのように優しい気持ちになれるもの
・海をそのまま感じてもらえるもの
・付け心地が良いもの(痒くなったりしない素材)

制作過程で「スカーフらしいデザインを施してもいいかもね」というアドバイスもいただきましたが、「美しい海をそのままスカーフにしたい」という想いがあったので、余計なデザインや装飾は施さず、シンプルに仕上げることにしました。

生地は柔らかく透け感のあるシフォンを採用することで、海の透明感を演出しています。
共有していただいた海のお写真は数十枚にも及び、そのどれもが選べないほど美しく…  困り果ててしまった私は、ファッションが好きな友人に相談しながら何とか2種類まで絞ることができました(本当は全部の海で作りたかったのですが…)。

それがこの2つ。どちらもアドリア海で撮影されたもので、上が[夜明け前の海]、下が[朝陽の海]です。

第一弾となる今回は、" 見ているだけで心がすっと軽くなるような海" を選んでみました。首元を彩ったり、お持ちの鞄につけてお楽しみいただけると嬉しいです。船内ではスカーフをポケットチーフとしてお洒落に活用している男性もお見かけするので、シーンに合わせて男女問わずお使いいただけるアイテムだと思います。

当店のオンラインショップではもちろん、クルーズ船の船内ショップでも取り扱いが始まっていますので、乗船された際はぜひ探してみてくださいね。

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▼オリジナル商品【海を纏うスカーフ】

[夜明け前の海]
Moonlight before sunrising, Adriatic Sea

[朝陽の海]
Sunrise, Adriatic Sea