マリー・ローランサン(Marie Laurencin, 1883 - 1956)

セシル・ビートン 《お気に入りのドレスでポーズをとるローランサン》1928年頃 マリー・ローランサン美術館 © Musée Marie Laurencin

マリー・ローランサンは、1844年にフランスのパリに生まれた画家であり、19世紀後半のフランスを代表する女性画家の一人である。彼女は主に肖像画を得意とし、多くの著名人や王侯貴族たちの肖像画を描いてきた。

ローランサンは、若いころから芸術に興味を持ち、フランスの美術学校であるエコール・デ・ボザールで学ぶことを望んだが、当時は女性が入学することができなかったため、私塾で学ぶことを余儀なくされた。彼女は美術に対する熱意と才能を活かし、自己流の技術を磨き上げた。

1880年代になると、ローランサンの才能が広く認められ、多くの著名人や王侯貴族たちが彼女に肖像画を描いてもらいたいと依頼を送るようになった。彼女はその熱心な依頼に応えるため、肖像画家としての地位を確立していった。

また、ローランサンは、当時の社会において女性が芸術家として活躍することが少なかったため、女性の自立や平等を求める運動にも参加していた。彼女は、女性が美術学校に入学できるようにする運動や、女性画家たちが作品を展示する場を提供する女性美術協会「La Société des Femmes Artistes」の設立にも尽力した。

しかし、ローランサンが最も有名になったのは、1884年に描いた「ギュスターヴ・クールベの肖像画」である。この作品は、当時まだ20代だったギュスターヴ・クールベを美しく描いたもので、多くの人々から称賛された。この作品によって、ローランサンの名声は一気に広まり、彼女はフランスを代表する女性画家の一人として世界中に知られるようになった。

マリー・ローランサンは、生涯を通じて多くの優れた作品を残し、その芸術性や女性としての独立精神は、今日でも多くの人々に称賛されている。



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